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Grafana Mimirとは|Prometheus互換の長期保存基盤

Grafana Mimir アイキャッチ
Grafana Mimir

Grafana Mimir(グラファナ・ミミール)は、Grafana Labsが2022年に発表したオープンソースの長期メトリクスストアで、Prometheusの大規模スケールと長期保存を解決する目的で設計されました。10億系列規模のメトリクスを扱える水平スケーラビリティ、マルチテナント対応、PromQL完全互換などを備え、Cortexプロジェクトの後継として位置づけられています。LokiやTempoと組み合わせることで、フルOSSで構築できる可観測性プラットフォーム「LGTMスタック」のメトリクス基盤を担い、エンタープライズの監視運用を支えています。

目次

この記事の目次

  1. MimirとPrometheusの関係
  2. アーキテクチャと拡張性
  3. 他のPrometheus長期保存と比較
  4. Mimir運用のベストプラクティス
  5. まとめ

MimirとPrometheusの関係

MimirとPrometheusの関係

Prometheusは単体で非常に強力な監視ツールですが、本体は単一プロセスでローカルディスクに書き込む設計のため、長期保存と大規模分散には別途仕組みが必要です。Mimirはこの欠点を補うバックエンドとして開発され、PrometheusのRemote Write APIを介してメトリクスを受け取り、複数ノードにシャーディングしながらオブジェクトストレージへ長期保存します。クエリ側ではPromQLをそのまま受け付けるため、既存のダッシュボードやアラートをほぼ変更なく流用できます。

MimirはCortexの開発資産をベースにライセンスをAGPLv3へ切り替えて発足したプロジェクトで、Grafana Labsが主導しつつコミュニティと連携して開発が進められています。Prometheusサーバを「収集と短期保持」、Mimirを「長期保存と全社統合」のレイヤとして役割分担することで、運用と可用性の両立を図るのが標準的な構成です。

アーキテクチャと拡張性

アーキテクチャと拡張性

Mimirは典型的なマイクロサービス構成を採り、Distributor、Ingester、Store-Gateway、Querier、Query-Frontend、Compactorなどが役割を分担します。Remote Writeで送られてきたサンプルはDistributorでハッシュ分散され、Ingesterが一時的にメモリ保持しつつブロックとしてオブジェクトストレージに永続化します。クエリはQuery-Frontendが分割・並列化し、最近のデータはIngester、過去データはStore-Gatewayから読み出して合成する設計です。

この構造により、ノードを追加するだけで取り込み容量と検索性能をリニアにスケールできるのが特徴で、ベンチマークでは10億アクティブ系列を扱える水準が示されています。テナントごとに認証・データ分離が可能で、大企業の中央集約型監視SaaSや、Kubernetesクラスタを複数抱える組織のマルチクラスタ統合ダッシュボード基盤として活用されています。

他のPrometheus長期保存と比較

他のPrometheus長期保存と比較

Prometheus長期保存基盤としては、ほかにThanosやVictoriaMetricsが広く知られています。Thanosはサイドカー方式でPrometheusと密結合し、グローバルビューを実現するのに強みがあります。VictoriaMetricsは独自エンジンによる高い取り込み効率と運用のシンプルさで人気です。Mimirはそれらに対し、Grafana LabsによるサポートとLGTMスタックとの統合体験、PromQL完全互換とマルチテナント機能の充実で差別化を図っています。

どれを選ぶかは、組織のスキル・運用ポリシー・既存スタックに依存します。すでにGrafana Cloudや関連製品を使っているならMimirが自然な選択肢となり、Prometheus周辺のミニマルな構成を好むならVictoriaMetrics、Prometheusの拡張として段階的に導入したいならThanosという棲み分けが現場でよく観察されます。

Mimir運用のベストプラクティス

Mimir運用のベストプラクティス

Mimirを本番投入する際は、まずテナント設計を明確にすることが重要です。組織単位・サービス単位・環境単位のいずれをテナント境界とするかで、認可・課金・データ分離の運用が大きく変わります。マルチテナントを使いこなすことで、開発チームに独自のダッシュボードと制限を提供しながら、運用は中央集約するという形が実現できます。

また、Prometheus側のRemote Writeの設定(バッチサイズ・再送・キュー長)とMimir側の取り込みリミットを揃え、ピーク時にも詰まらないように調整することが安定運用の要です。アラート評価はPrometheus側に残す構成と、MimirのRulerにオフロードする構成のいずれも可能で、可用性要件と運用責任分界に合わせて選択します。Compactorによるブロック整理と保管期間ポリシーを併せて設計することで、長期にわたって安定したコスト構造を維持できます。

まとめ

Grafana Mimirは、Prometheusの「単体では難しい長期保存と大規模分散」を解決するために設計された、Grafana LGTMスタックのメトリクス基盤です。PromQL完全互換と水平スケーラビリティを武器に、エンタープライズの中央集約監視やマルチクラスタ環境の統合ダッシュボードに広く活用されています。Thanos/VictoriaMetricsとの比較を踏まえつつ、組織のスタックに合わせて選択する視点が重要となります。

※本記事はIT用語辞典の手書きドラフトです。公開前に最新情報・出典を確認のうえ加筆修正してください。

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