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Postman — API開発のデファクトに成長したクライアント

Postman アイキャッチ
Postman

Postmanは2012年にインドのアビナフ・アスターナ(Abhinav Asthana)がChrome拡張として公開したAPIクライアントが起点で、後にデスクトップアプリ、ワークスペース型のクラウドサービスへと展開しました。HTTPリクエストを画面上で組み立てて送り、レスポンスを見ながらAPIを試行錯誤するという用途を中心に、コレクション共有、自動テスト、モックサーバー、ドキュメント生成までを一通り抱える総合プラットフォームへ成長し、現在は世界中で数千万人の開発者に使われているAPI開発のデファクトです。本記事ではその全体像を整理します。

目次

この記事の目次

  1. Postmanの四つの核
  2. Chrome拡張から企業向けSaaSへ
  3. 実務での使われ方
  4. curl・Insomnia・HoppscotchとPostmanの違い
  5. まとめ

Postmanの四つの核

Postmanの四つの核

Postmanの基本は、メソッド・URL・ヘッダ・ボディをGUIで組み立ててHTTPリクエストを送る部分です。JSONボディは整形済みで編集でき、レスポンスはステータスコード・所要時間・ヘッダ・ボディの色付きビューで返り、GraphQLやgRPC、WebSocket、Server-Sent Eventsといった主要プロトコルにも対応しています。認証はBasic、Bearer、API Key、OAuth 2.0などをタブ切替で設定でき、トークン取得フローも内蔵されています。

二つ目の核がコレクションで、似たリクエスト群をフォルダにまとめて環境変数とともに保存・共有できます。ワークスペース機能でチームでコレクションを共同編集すれば、APIの仕様確認や試験手順を関係者全員で揃えやすくなります。三つ目はテストとモックで、各リクエストにJavaScriptでアサーション(ステータス200であること、特定プロパティを含むこと等)を書いておき、Newman CLIでCI上でも自動実行できます。モックサーバー機能を使えば、設計したコレクションを擬似APIとして即座に外部公開もできます。

Chrome拡張から企業向けSaaSへ

Chrome拡張から企業向けSaaSへ

Postmanの原型は、アビナフ・アスターナが自分のテスト作業を楽にするために書いたChrome拡張でした。2012年に無償公開すると瞬く間に開発者の間で広まり、2014年にはアビナフが共同創業者のアンクル・ベルマ(Ankit Sobti)らと正式に法人化、Postman社(米国カリフォルニアに本社、開発拠点はベンガルール)として事業展開を始めました。当初は無償ツール扱いでしたが、企業ユースが広がるにつれてチームコラボ機能やセキュリティ管理を備える有償プランへ重心を移していきます。

2017年にはChrome拡張からネイティブのデスクトップアプリへ移行し、Chrome本体の方針変更に左右されない開発基盤を確立しました。2020年代には完全にクラウド主体のSaaSへ舵を切り、APIライフサイクル管理プラットフォーム「Postman API Network」では公開APIのカタログ化、API Builderでは設計からモック・テストまでをワンストップで提供するようになっています。2021年には評価額56億ドルの資金調達を実施し、API開発という分野の中で確固たる地位を築いた数少ないユニコーンとなりました。

実務での使われ方

実務での使われ方

実務でPostmanが最もよく使われるのは、新規APIを実装する過程での試行錯誤と、既存APIのバグ調査です。Swagger/OpenAPIから読み込んでコレクションを生成すれば、すべてのエンドポイントをタブで開いた状態から始められ、認証ヘッダや環境変数を切り替えながら開発用・ステージング・本番をすばやく切り替えられます。バグ報告書に「Postmanのコレクションを共有してください」と書かれることが増えたほど、再現手順の共通フォーマット化が進みました。

CIに組み込む場合は、PostmanのCLIにあたるNewmanにコレクションとenvファイルを渡して実行します。コレクションランナーで本番監視を回したり、Postman Monitorで定期的にAPIエンドポイントを叩いて落ちていないか確認したりするのも一般的です。フロントエンド先行で開発したいときには、コレクションからモックサーバーを生成して仮のレスポンスを返させ、バックエンドの実装を待たずにUIを進めるという段取りも組めます。納品時にはコレクションをドキュメントとして公開する企業も増えました。

curl・Insomnia・HoppscotchとPostmanの違い

curl・Insomnia・HoppscotchとPostmanの違い

curlとの違いは明快で、ターミナル派・自動化派にはcurl、GUIで試行錯誤しチームで共有したい人にはPostmanという棲み分けです。curlのコマンド列をPostmanに貼り付ければそのままリクエストに変換できるため、両者は対立というよりは併用関係にあります。InsomniaはPostmanとほぼ同じUI体系を持つ競合で、よりミニマルでオフライン中心、ローカル保存重視という思想です。

Hoppscotchはブラウザ上で動く完全OSSのAPIクライアントで、Postmanのクラウド依存が嫌な層の受け皿になっています。Brunoはコレクションをファイルベースで管理し、Gitとの相性を売りにする新興ツールです。Postmanはクラウド統合・有償プラン・APIライフサイクルといった大企業向け機能の充実度で抜きん出ており、個人開発者は無償でも十分使える一方、大規模チームでは課金してチームスペースを利用する、という二層構造で定着しています。

まとめ

Postmanは個人ツールから始まり、API開発全体を覆う総合プラットフォームへと育った数少ない成功例です。API設計・実装・テスト・運用を横断して触れる現代の開発者にとって、Postmanの操作感を一度身につけておくと新規プロジェクト立ち上げや障害対応のスピードが大きく変わります。

※本記事はIT用語辞典の手書きドラフトです。公開前に最新情報・出典を確認のうえ加筆修正してください。

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