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IPv6 — 128ビットで枯渇を解消する次世代インターネットプロトコル

IPv6 アイキャッチ
IPv6

IPv6(Internet Protocol version 6)は、IPv4の32ビットアドレス枯渇問題を解決するために設計された、128ビットアドレス空間を持つ次世代ネットワーク層プロトコルです。1998年12月にIETFのRFC 2460としてスティーブ・デアリングとロバート・ヒンデンが編集する形で標準化され、2017年7月に最新版のRFC 8200へ改訂されました。アドレス総数は2^128個(約3.4×10^38)と事実上無限大で、IPv4のNATでは賄えない時代の本命となる規格ですが、後方互換性のなさから普及には四半世紀以上を要しており、現在も移行の途上にあります。

目次

この記事の目次

  1. 128ビットと16進コロン記法
  2. 1998年RFC 2460への道のり
  3. アドレス自動構成とセキュリティ
  4. 普及途上の現状とデュアルスタック
  5. まとめ

128ビットと16進コロン記法

128ビットと16進コロン記法

IPv6のアドレスは128ビット長で、16ビットずつ8組に分けて16進数で表記します。「2001:0db8:85a3:0000:0000:8a2e:0370:7334」のような形式で、各組は0000~ffffの範囲を取ります。連続する0は「::」で省略でき、上の例は「2001:db8:85a3::8a2e:370:7334」と短縮表記できます。

アドレス空間は2^128 = 約3.4×10^38個と、地球上の砂粒数を超える規模です。IETFの設計指針では、各エンドサイト(家庭や中小オフィス)に/48(=80ビット分)または/56(=72ビット分)を配り、サブネットは/64を基本単位とすることになっています。1サブネット内のホストアドレスは64ビットあり、これだけで2^64 ≈ 1844京個。IPv4で苦労してきた「アドレスが足りない」「サブネット設計を切り詰める」という発想自体が不要になります。

1998年RFC 2460への道のり

1998年RFC 2460への道のり

IPv6の議論は1990年代初頭、CIDR導入と並行して始まりました。1992年にはIPv4枯渇予測がIETFで本格化し、ROAD(Routing and Addressing)グループが対策を検討。複数の後継候補(SIP、TUBA、CATNIP等)が競合した末、1994年にIPng Directorateが現在のIPv6(旧名SIPP)を選定しました。1995年12月にスティーブ・デアリングが編集者となり、RFC 1883として最初の仕様が公開されました。

1998年12月、改訂版のRFC 2460が公開され、これが長らくIPv6の中心仕様として参照されてきました。2017年7月にはRFC 8200として更新され、現在は完全な「Internet Standard」のステータスを得ています。デアリングはXerox PARC、後にCisco Fellowを務めたマルチキャストとIPv6の両方の設計者として知られ、ヒンデンはBolt Beranek and Newman(BBN)出身のベテランで、両者が四半世紀にわたってIPv6の整備をリードしてきました。

アドレス自動構成とセキュリティ

アドレス自動構成とセキュリティ

IPv6の特徴の一つに、ルータが定期的に流す「ルータ広告(RA)」を受信したホストが、自分でアドレスを生成してネットワークに参加する「SLAAC(Stateless Address Autoconfiguration、RFC 4862)」があります。DHCPサーバを動かさなくても全端末がIPアドレスを取得できるため、IoTのような大量のセンサ機器をネットワークへ加える運用と相性が良い設計です。従来通りサーバから配布したい場合は、DHCPv6(RFC 8415)も併用できます。

また、IPsec(RFC 4301)の実装がIPv6では事実上必須とされてきた(実際は推奨に変わったが)ため、暗号化を前提とした設計思想が根付きやすくなっています。ヘッダ構造はIPv4の20バイト最大60バイトから、固定40バイトに簡素化され、必要に応じて経路指定・フラグメンテーション・ホップオプションなどを「拡張ヘッダ」として連結する方式に変わりました。ルータ処理がシンプルになり、高速転送に向く構造です。

普及途上の現状とデュアルスタック

普及途上の現状とデュアルスタック

Googleが公開しているIPv6利用率統計によれば、2024年時点で同社サービスへのアクセスのうち46%以上がIPv6で行われており、日本・米国・ドイツ・インドなどでは50%を超える国も多くなっています。モバイル通信網は特にIPv6が進んでおり、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクも主要回線はIPv6中心に切り替え済みです。iOSとAndroidの最新版は標準でIPv6優先動作(Happy Eyeballs、RFC 8305)を行い、可能ならIPv6で接続します。

一方、Webサイト側、特に企業の社内システムや古いSaaSではIPv6対応が遅れているケースが多く残ります。そのため当面はIPv4とIPv6を併用する「デュアルスタック」運用が標準で、ISPやクラウドは両方のアドレスを同時に配ります。完全なIPv6シングルスタックは限られた環境にとどまりますが、AWS・Google Cloud・Azureはいずれも全リージョンでIPv6を提供しており、新規ネットワーク設計では「IPv6前提、IPv4はゲートウェイで提供」という方針が今後の主流となる見込みです。

まとめ

IPv6はRFC 2460として1998年に登場し、2017年のRFC 8200で完成形に至った128ビット時代のインターネットプロトコルです。アドレス枯渇問題を根本解決する設計でありながら、後方互換性のなさから普及に四半世紀を要し、現在も移行途上にあります。モバイルとクラウドが先導する形で利用率は半数に迫っており、これからのネットワーク設計の土台となる規格です.

※本記事はIT用語辞典の手書きドラフトです。公開前に最新情報・出典を確認のうえ加筆修正してください。

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