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LangChain — LLMアプリ開発を一気に普及させたフレームワーク

LangChain アイキャッチ
LangChain

LangChainは元Robust Intelligence社のハリソン・チェイス(Harrison Chase)が2022年10月にOSSとして公開した、大規模言語モデル(LLM)を中心に据えたアプリケーション開発フレームワークです。プロンプト、チェーン、エージェント、ツール、メモリ、ベクトル検索などのコンポーネントを抽象化し、OpenAI APIをはじめとした多数のLLMやベクトルDBを統一インターフェースで呼べるようにしました。GitHubで爆発的にスターを集め、2023年にはSequoia、Benchmark等から資金調達し、LLMアプリの「最初に触る道具箱」として地位を確立しています。

目次

この記事の目次

  1. チェーン・エージェント・メモリ
  2. Harrison Chaseと会社設立
  3. RAG・エージェント構築の道具立て
  4. LlamaIndex・自前実装との比較
  5. まとめ

チェーン・エージェント・メモリ

チェーン・エージェント・メモリ

LangChainの中核概念は3つです。「Chain」は複数の処理ステップ(プロンプト整形→LLM呼び出し→出力パース→次のプロンプト整形…)を直列・分岐つきに連結する仕組みで、「Agent」はLLM自身に「次にどのツールを呼ぶか」を判断させる仕組み、「Memory」は過去のやり取りをLLMの追加コンテキストとして保持する仕組みです。これらを組み合わせ、ユーザー入力を受けて検索・計算・API呼び出し・回答生成を自律的に行うアプリを書ける、というのが基本コンセプトでした。

2023年末からはLangChain Expression Language(LCEL)と呼ばれる宣言的なパイプライン記法に重心が移り、Pythonの|演算子で各コンポーネントをつなぐ書き方が標準化されました。さらに2024年にはエージェントのフロー制御を強化したLangGraphが分離・整備され、状態機械的なエージェント構築をサポートしています。LangChain Hubでは公開プロンプトを共有でき、コミュニティで磨かれたプロンプトテンプレートを再利用できる仕組みも提供されています。

Harrison Chaseと会社設立

Harrison Chaseと会社設立

LangChainはハリソン・チェイスがRobust Intelligenceに在籍していた2022年10月、個人の週末プロジェクトとしてGitHubに公開したのが始まりです。ChatGPTがバイラル化する直前のタイミングと重なり、LLMアプリを書きたい開発者の需要を一気に取り込みました。翌2023年初頭にはハリソンを中心にLangChain Inc.が設立され、Benchmark主導のシリーズAでバリュエーション2億ドル、その後Sequoia主導のシリーズBで12.5億ドル評価へと駆け上がる成長を遂げます。

プロダクト面ではOSSのLangChainに加え、運用観測ツールのLangSmith、状態機械型エージェント基盤のLangGraph、ホスティングサービスのLangServeを順次投入してきました。LangSmithはトレース・評価・プロンプトA/Bテスト機能を備え、エンタープライズ向け収益の柱として育っています。「OSSは自由に使えるが、運用は商用サービスで支える」という標準的なOSSビジネスモデルを、LLM時代でいち早く確立した会社のひとつです。

RAG・エージェント構築の道具立て

RAG・エージェント構築の道具立て

LangChainの実務的な使い道のトップに来るのが、RAG(Retrieval-Augmented Generation)パイプラインの構築です。PDF・HTML・Markdown・Notion・GitHub・S3など、200種類超のドキュメントローダが用意され、テキスト分割、埋め込み生成、Pinecone/Weaviate/Chromaなどへの保存、類似検索、プロンプト整形までを数十行のPython/TypeScriptで書けてしまいます。「自社データを使ったLLMアプリを最短距離で作る」ためのデファクトな組み合わせです。

もう一つの大きな用途は、エージェントの構築です。ReActやToolsエージェントの実装が同梱されており、「電卓」「Web検索」「DBクエリ」「コード実行」などをツールとして登録するだけで、LLMが必要に応じて呼び分けるエージェントが作れます。より複雑な分岐や並列処理が必要な場合はLangGraphへ進み、状態ノードと遷移を明示的に書くことで、デバッグしやすいエージェント基盤を組めるようになっています。LangSmithを併用すれば、本番でのプロンプト・出力・コスト・レイテンシをすべて可視化できます。

LlamaIndex・自前実装との比較

LlamaIndex・自前実装との比較

近い領域でよく比較されるのがLlamaIndexです。LlamaIndexはデータ取り込みとインデックス構築に強く、「自社ドキュメント×LLM」用途にはこちらの方がシンプルで扱いやすい場面があります。LangChainはより汎用的で、エージェントや複雑なツール連携を含む場合に強みを発揮し、両者を併用する構成も珍しくありません。

規模が大きくなるにつれ、抽象化が深いLangChainより薄いラッパーで自前実装する選択肢も増えてきました。とはいえ、コネクタの豊富さ、LangSmithによる観測性、エージェント周りの実装ストック、コミュニティの厚みは依然として圧倒的で、LLMアプリ開発の入門と試作レベルでは事実上の標準であり続けています。MicrosoftのSemantic Kernelや、deepsetのHaystackも有力な代替ですが、生態系の厚みではLangChainがリードを保つ状況です。

まとめ

LangChainはハリソン・チェイスが2022年に公開し、LLMアプリ開発をPython数十行で書けるようにしたフレームワークです。Chain/Agent/MemoryとLangSmith・LangGraphの拡張で、RAGやエージェント構築の標準ツールとなり、LLM時代の開発文化を一気に押し広げました。

※本記事はIT用語辞典の手書きドラフトです。公開前に最新情報・出典を確認のうえ加筆修正してください。

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