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NetBSDとは|移植性を最優先する1993年生まれのBSD

NetBSD アイキャッチ
NetBSD

NetBSDは1993年に386BSDから分岐して始まったBSD系OSで、Of course it runs NetBSDという標語に表される極めて高い移植性を最大の特徴とする。x86やARMはもちろん、SH3、VAX、HP-PA、Motorola 68000系など実に50を超えるアーキテクチャに対応してきた歴史を持つ。組み込み機器の研究用途や、教育目的でカーネル内部を学ぶための題材としても長く支持されてきた、地味だが本物のUNIX系プロジェクトである。

目次

この記事の目次

  1. 1993年の分岐と移植性志向の出発点
  2. Of course it runs NetBSDという哲学
  3. pkgsrcと第三者ソフトの一元管理
  4. rumpカーネルと研究用途での貢献
  5. まとめ

1993年の分岐と移植性志向の出発点

1993年の分岐と移植性志向の出発点

NetBSDは1993年3月にChris Demetriou氏、Theo de Raadt氏、Adam Glass氏、Charles Hannum氏らによって386BSDから派生した。当初の目的はパッチを統合した次世代版の386BSDだったが、すぐにさまざまなアーキテクチャで動く統一カーネルという設計思想にシフトした。同年にリリースされたNetBSD 0.8がプロジェクトの公式の出発点である。

プロジェクト名のNetはネットワーク経由で世界中の開発者が協力する開発スタイルから付けられたとされる。3名のオリジナル創設者のうちTheo de Raadt氏は後に方針対立でOpenBSDを立ち上げており、現在の3大BSDの分岐構造はこの時期に決定された。NetBSDはその中で移植性を担当する系統として固有の役割を担うことになる。

Of course it runs NetBSDという哲学

Of course it runs NetBSDという哲学

NetBSDは公式に60前後のシステム/アーキテクチャ組み合わせをサポートしてきたとされ、ハードウェア抽象層(MIライブラリ)とアーキテクチャ依存層(MDライブラリ)を明確に分離する設計でその実現を支えてきた。デバイスドライバはbus_dmaやautoconfといった抽象化により多様なバス構成へ移植しやすく、移植の手間が他のOSより小さい。

象徴的な事例として2004年にトースターでNetBSDが動作するデモが発表され、世界中のニュースで紹介された。実用性以上にどんな小さなチップでもNetBSDなら動かせるというメッセージを示すデモであり、組み込み業界における存在感を高めた。Raspberry Pi、BeagleBoneなどのSBC、各種ルーターチップなど、現代でもサポートアーキテクチャの広さは健在だ。

pkgsrcと第三者ソフトの一元管理

pkgsrcと第三者ソフトの一元管理

NetBSDの第三者ソフトウェア管理はpkgsrcというパッケージシステムで一元化されている。1997年にFreeBSDのPortsから派生して始まり、20,000を超えるパッケージを擁する。特筆すべきはNetBSDだけでなくLinux、macOS、Solaris、AIXなど他のOSでも動く点で、どのUNIX系OSにも統一されたパッケージ管理を提供するというプロジェクトの移植性志向を体現している。

ビルドはmkを用いた宣言的なMakefileで記述され、依存解決やパッチ管理が一貫した方法で行える。商業UNIXの上で最新のオープンソースを動かしたい場合に重宝され、組み込みLinuxやmacOS上での開発環境としてpkgsrcを採用するケースは現在も少なくない。NetBSD本体の知名度を超えて広く使われている資産である。

rumpカーネルと研究用途での貢献

rumpカーネルと研究用途での貢献

NetBSDのもう一つの先進的な成果がrumpカーネル(2009年〜)で、カーネルのファイルシステムやネットワークスタックなどをユーザー空間で動かせる仕組みである。これにより、研究者がカーネル内部の動作を再現性高く検証したり、新しいファイルシステムを安全に試したりできる。マイクロカーネルやunikernelの研究にも影響を与えた。

リリースは数年単位とゆったりで、2024年時点ではNetBSD 10系が最新となっている。Wi-Fi周りや最新CPUへの追従はLinuxやFreeBSDに遅れがちだが、地道に古いマシンや組み込みボードのサポートを継続している点が独特の価値になっている。UNIXの基本を学ぶという用途では、コードベースの読みやすさから今でもNetBSDを推す声が根強い。

まとめ

NetBSDは1993年の分岐以来、移植性を最優先するという一貫したミッションを30年以上にわたって守り続けてきた。pkgsrcやrumpカーネルといった独自の成果は他OSや学術研究にも広く影響を与えており、派手さはなくともどこでも動くUNIXという独自のニッチを今も占めている。

※本記事はIT用語辞典の手書きドラフトです。公開前に最新情報・出典を確認のうえ加筆修正してください。

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