
Unity XRは、Unity Technologiesが提供するXR(VR・AR・MR)開発向けのフレームワーク群を総称する呼び方です。2019年12月にリリースされたUnity 2019.3でXR Plugin Frameworkとして大幅に再編され、それ以前の組み込みVRサポートからプラグインベースの拡張可能な構造へ移行しました。これに伴いARKit XR Plugin、ARCore XR Plugin、Oculus XR Plugin、OpenXR Pluginなどが個別パッケージとして公開され、必要なプラットフォームだけを組み込むモジュラー設計が実現しています。
この記事の目次
- AR FoundationとXR Plugin Frameworkの関係
- VR/MR向けプラグイン群
- 入力とインタラクション
- プロジェクト立ち上げの実務
- まとめ
AR FoundationとXR Plugin Frameworkの関係

AR Foundationは、ARKitとARCoreの共通機能を抽象化した高水準APIで、Unity 2018で導入されました。XR Plugin Frameworkはその下層に位置し、各プラットフォームのプラグインを差し替え可能なバックエンドとして扱います。開発者はAR FoundationのARSession、ARSessionOrigin、ARPlaneManagerなどのコンポーネントを配置するだけで、プラットフォーム固有のセッション管理を意識せずにARを実装できます。
対応機能は世代ごとに拡張されており、現行版ではImage Tracking、Face Tracking、Body Tracking、Environment Probes、Meshing、Object Detection、Geospatial(ARCore独自)などが含まれます。プラットフォーム固有機能はSubsystem単位で利用可否を判定でき、ARSession.descriptor.supportsMeshingのようなフラグでフォールバックを実装可能です。
VR/MR向けプラグイン群

VR・MR分野ではOpenXR Plugin、Oculus XR Plugin、Windows XR Plugin、PSVR2用プラグインなどが用意されています。Unity 2021.2以降はOpenXR Pluginが推奨ルートとなり、Meta Quest、SteamVR、Windows Mixed Realityへ単一の設定で展開できるようになりました。OpenXRエクステンションごとにフィーチャーグループとして有効化する仕組みが用意されており、必要な機能だけを取り込めます。
Apple Vision Pro向けには2023年にPolySpatialというパッケージがプレビュー公開され、UnityシーンをvisionOSのShared SpaceやImmersive Spaceで動かせるようになりました。これによりUnity資産をiPhoneのARKitアプリ、Quest 3のMRアプリ、Vision Proの空間アプリへ展開する一気通貫の開発が可能になっています。
入力とインタラクション

Unity XRはInput System(新Input)とXR Interaction Toolkit(XRI)を組み合わせて、コントローラ・ハンドトラッキング・視線入力の各種ヘッドセット差を吸収します。XRIはレイキャストでの掴み、近接トリガでのテレポート、ソケットアタッチメントなどの典型的なXRインタラクションをコンポーネントとして提供しており、独自スクリプトの記述量を大きく削減できます。
ハンドトラッキングはOpenXR Hand Tracking Extensionに基づき、25個の関節ジョイントを取得できます。これをXR Hands Packageで抽象化し、Quest 3のオールハンド操作、Vision ProのSwiftUI連携、PCで接続するUltraLeapセンサーまで共通APIで扱えます。視線入力はFoveated Renderingと組み合わせ、CPU/GPU負荷を視野外で下げる最適化が標準的になっています。
プロジェクト立ち上げの実務

新規プロジェクトを始める際は、Project SettingsのXR Plug-in Managementから対象プラットフォームを選択し、必要なPluginにチェックを入れます。続いてXR Interaction Toolkitと該当プラグイン(AR Foundation、OpenXR、Oculus、PolySpatialなど)をPackage Managerから追加します。Render PipelineはURPまたはHDRPで、それぞれXR向けに必要なRenderer FeatureとQuality設定が異なる点に注意してください。
CI/CDでは、Unity Cloud Buildでターゲットプラットフォームごとのビルドプロファイルを切り替え、テストランナーで自動再生テストを走らせる構成が一般的です。実機テストはHeadless Modeで難しいため、PlayMode上でXR Simulationを使い、シミュレーション環境でAR Foundationの平面検出やヒットテストを検証する仕組みが2022年から提供されています。
まとめ
Unity XRはAR Foundationとプラグイン群、XR Interaction Toolkitを束ねた包括的なフレームワークで、2019.3の再編以降は明確なモジュラー構成になりました。ARKit・ARCore・OpenXR・PolySpatialを差し替えるだけで複数プラットフォームへ展開でき、ハンドや視線などの入力モダリティも統一APIで扱えます。プラグインの選定とCI環境の整備が成功の鍵です。
※本記事はIT用語辞典の手書きドラフトです。公開前に最新情報・出典を確認のうえ加筆修正してください。

コメント