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Wasabiとは|エグレス無料を打ち出す格安クラウドストレージ

Wasabi アイキャッチ
Wasabi

Wasabi Technologiesは、バックアップ大手Carboniteを共同創業したDavid Friend氏とJeff Flowers氏が2015年に立ち上げ、2017年に「Wasabi Hot Cloud Storage」として正式にサービスインしたオブジェクトストレージ事業者です。「S3より安く、エグレス料金もAPIコール料金も無料」というシンプルなメッセージで急成長し、北米・欧州・アジア太平洋にデータセンターを展開しています。メディア企業、教育機関、MSP(マネージドサービスプロバイダ)に多くの導入実績があり、コスト圧縮のセカンドストレージとして広く採用されています。

目次

この記事の目次

  1. Wasabi誕生の経緯
  2. 料金と最低保管期間ルール
  3. 得意とするワークロード
  4. 導入と運用のポイント
  5. まとめ

Wasabi誕生の経緯

Wasabi誕生の経緯

David Friend氏とJeff Flowers氏は1980年代から複数の企業を立ち上げてきたシリアルアントレプレナーで、中でも2005年に共同創業したCarboniteは個人向けクラウドバックアップで知られる存在になりました。彼らはバックアップ事業で顧客が「クラウドストレージの料金、特にエグレスとAPIコール料金」に強い不満を抱いていることを長年見続けてきました。その経験を踏まえ、2015年にマサチューセッツ州ボストンでWasabiを設立し、自社設計のストレージアプライアンスで原価を徹底的に下げる戦略を取りました。

2017年5月の正式リリース時、保存料金は1TBあたり月3.99ドル(約0.0039ドル/GB)で、S3 Standardの約5分の1という衝撃的な価格でした。さらに「データ取り出し料金ゼロ、APIリクエスト料金ゼロ」というシンプルな課金体系を打ち出し、見積もりが立てやすいことから瞬く間にMSP市場で評価されました。2022年にはセリエDで2億5000万ドルを調達し、評価額10億ドル超のユニコーン企業となっています。

料金と最低保管期間ルール

料金と最低保管期間ルール

Wasabiの料金は2026年時点で、1TBあたり月6.99ドル(約0.007ドル/GB)が標準で、エグレス料金とAPIリクエスト料金は原則無料です。1TB未満でも1TB分の課金となる最低料金がある点には注意が必要ですが、TB単位で確保する企業ユーザーには大きな問題になりません。S3互換APIを提供しており、aws-cli、rclone、s3fs、Cyberduckなどでそのまま利用できます。

ただし、Wasabi独自のルールとして「最低保管期間90日」が存在します。90日経過前に削除・上書き・移動を行うと、90日分の保存料金が請求されます。これは安価な保存料金を成立させるためのもので、頻繁にデータを入れ替えるキャッシュ的用途には向きません。逆に、バックアップやアーカイブ、放送局の素材保管など「長期保管が前提」のユースケースであれば、この制約はほぼ影響しません。また、エグレス無料も「保存量と同等以下の月間ダウンロード」を前提とする公正利用ポリシーが適用されます。

得意とするワークロード

得意とするワークロード

Wasabiが最も得意とするのはバックアップ・アーカイブ用途です。Veeam、Commvault、Acronis、MSP360、Cohesityなどのバックアップ製品が公式にWasabiをサポートしており、オンプレ・SaaSのバックアップ先として導入実績が多くあります。Object Lockで改ざん耐性も担保でき、コンプライアンス要件のあるアーカイブ保管にも適しています。

もう一つの強みが放送・メディア業界です。Wasabiは2021年からNBAボストン・セルティックスやFCバルセロナのスポンサーになるなど、メディア業界への露出を強化しており、未編集映像、放送アーカイブ、教育コンテンツのコールドストレージとして採用が進んでいます。監視カメラ映像、ゲームのリプレイデータ、IoTセンサーのログなど、「書き込みが多く、読み出しは時々」というワークロードにも適しています。

導入と運用のポイント

導入と運用のポイント

Wasabiは現在、米国・カナダ・英国・ドイツ・フランス・オランダ・日本・シンガポール・オーストラリアなど世界各地にリージョンを持ち、日本リージョンは大阪と東京に展開されています。国内データレジデンシが必要なケースでも安心して使え、Backblazeより国内リージョン要件で選ばれることが多いポイントです。リージョン間レプリケーションは有償オプションですが、災害対策として組み合わせると堅牢な構成を作れます。

コンソールやAPIキーの管理面では、ルートアカウントは多要素認証必須にし、サブユーザーごとにIAMポリシーを発行する運用が推奨されます。監視ツールとしては、CloudWatch相当の機能は提供されないため、Veeamやアプリケーション側のログを起点に容量推移を把握するか、APIで ListBuckets/ListObjectsV2 を定期実行して自前のダッシュボードを作るのが一般的です。請求が定額に近いため、長期計画でストレージ予算を組みやすいというのは経営側にもメリットになります。

まとめ

Wasabiは、Carbonite創業者の知見を活かして「分かりやすく安い」クラウドストレージを実現したサービスです。最低保管期間90日というルールはあるものの、バックアップ・アーカイブ・メディア保管といった長期保管前提の用途では、ハイパースケーラに比べて圧倒的なコスト優位を発揮し続けるでしょう。

※本記事はIT用語辞典の手書きドラフトです。公開前に最新情報・出典を確認のうえ加筆修正してください。

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